平成24年度4年セミナーの案内(日比野)
使用テキスト候補
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A.N.Kolmogorov & S.V.Fomin;
Elements of the Theory of Functions and Functional Analysis,
Dover Pub.
1999(Original Russian edition:Graylock Pr,1957)
関数解析に関するスタンダードな本です。3年生までの授業名で言えば,
Chapter I-IIは『集合・位相I,II』,
Chapter V-VIIは『解析学I,II』に相当しますので,このセミナーでは
Chapter III-IVを読みます。
- T.S.Chihara;
An introduction to orthogonal polynomials,
Gordon and Breach, Science Publishes, Inc.
1978
直交多項式に関するスタンダードではない本です。
個人的には Chapter III: Continued fractions and chain sequences に興味があります。
しかし,
最初から順番に読んでいくと,
そこまで進むのは(時間的に)無理かもしれません。
- R.J.Wilson;
Introduction to graph theory,
Prentice Hall.
2010
グラフ理論の易しい入門書です。
私の専門分野ではありませんが,予備知識なしでも読めると思います。
- F.Mosteller;
Fifty challenging problems in probability with solutions,
Dover Pub.
1987
確率論の問題集です。56の問題と解答が載っています。
セミナーでは解答を読んで,その解説をしてもらいます。
1年で全問やるのが目標です。
候補テキストは
日比野研究室に置いてありますので,
見たい人はいつでも訪ねてきてください。
これに限らず,
他に読みたい本のリクエストが学生の方からあれば
それにも応じます。
セミナーとは
セミナーとは
当番になった学生がテキストを勉強しその内容を講義するものです。
簡単に言えば,
先生の代わりをする
と思っていただいて結構です。
私は物分りの悪い生徒の役をします。
つまり,
なにかにつけ,
すぐに「それはどうしてですか」
「どういう定理を使ったのですか」
「証明を教えて下さい」
「その公式を使えるのはどういうときですか」
「今の場合はその公式を使えるのですか」
などと質問します。
担当者はそういう(意地悪な?)質問にも答えられるように
『完全に全部わかった』という状態になるまで
――少なくとも,そういう気持ちになるまで――
十分に勉強してください。
その際,他の本を調べたり,人に聞いたりしても構いません。
むしろ,そういうことをしてなんとか理解しようと努力してください。
セミナーの進め方
参加者の都合に合わせて曜日を決めますが,
2コマ連続で行います。
1人2ページ程度を目安に輪番で発表してもらいます。
時間が長いのですが,
担当者以外はただただ終わるのに付き合わされている
という雰囲気になってしまって,
自分の担当するところ以外は全く理解していない,
という状態になってしまわないようにしてください。
プレセミナー
上述の悪い状況を産み出さないためにも,
セミナーの前に
学生同士でプレセミナー(リハーサル)を行うことを勧めます。
友達と協力し合って勉強するのもいいものです。
また,先生の視点で友人の発表のアラ探しをすることは
良い勉強にもなります。
就職について
就職に関しては
できる限りの協力はしますが
就職先を斡旋できるようなコネはありません。
就職を希望する学生は
自力で就職先を決めて下さい。また,
それを理由にセミナーの勉強がおろそかにならないように注意して下さい。
その他
セミナーの受講人数には制限があります。学生同士で適当に調節して下さい。
私が研究室にいるときは
いつでも訪ねてきて結構です。
が,
いつも研究室にいるとは限りません。
以上のことを
納得した上でセミナーを受講して下さい。
私のHPの過去のセミナーの記録
(https://hibino.ms.saga-u.ac.jp/seminar/)も参考にしてください。
日比野雄嗣 hibinoy@cc.saga-u.ac.jp