平成20年度4年セミナーの案内

使用テキスト候補
  1. Paul R. Halmos; Introduction to Hilbert space and the theory of spectral multiplicity, Chelsea Pub. Co. New York 1951(second edition 1957)
  2. ヒルベルト空間の基礎的な本です。 この学科の講義では出てこなかったかもしれませんが, 大学によっては3年生の必修科目だったりしますので, 解析を勉強する人には基本知識です。
  3. A.N.Kolmogorov, S.V.Fomin; Elements of the Theory of Functions and Functional Analysis (Vol.2), Dover Pub. 1999(Original Russian edition:Graylock Pr,1957)
  4. 現代確率論の創始者コルモゴロフが著した有名な本です。 現代の確率論は,この本に書いてあるような関数解析を基礎にして構成されています。 内容は,3年生までの授業で言えば,『解析学I,II』のようなものです。
  5. G. G. Lorentz; Bernstein Polynomials, Chelsea Pub. Co. New York 1953(Second Edition 1986).
  6. 多項式の本です。 読んだことがないのでなんとも言えませんが, 見た感じは易しそうです。
セミナー参加者と相談して上記のいずれかにする予定です。 候補テキストは3冊とも日比野研究室に置いてありますので, 見たい人はいつでも訪ねてきてください。 他に特に読みたい本のリクエストが学生の方からあればそれに応じます。
セミナーとは
セミナーとは 当番になった学生がテキストを勉強しその内容を講義するものです。 先生の代わりをする と思っていただいて結構です。 私は物分りの悪い生徒の役をします。 つまり, なにかにつけ, すぐに「それはどうしてですか」「どういう定理を使っ たのですか」「証明を教えて下さい」「その公式を使えるのはどういうときです か」「今の場合はその公式を使えるのですか」などと質問します。 担当者はそういう(意地悪な?)質問にも答えられるよう 『完全に全部わかった』という状態になるまで(少なくとも, そういう気持ちになるまで) 十分に勉強してください。 そのとき,他の本を調べたり,人に聞いたりしても構いません。
セミナーの進め方
参加者の都合に合わせて曜日を決めますが, 午後いっぱいを使用します。 つまり,終了時間は特に定めず その日の担当者が担当した分を終えるまで延々と続けます。
時間がかかるので体力勝負な感じですが, 担当者以外はただただ終わるのに付き合わされている という雰囲気になってしまって 自分の担当するところ以外は全く理解していない, という状態になってしまわないようにしてください。
プレセミナー
上述の悪い状況を産み出さないためにも, セミナーの前に 学生同士でプレセミナー(リハーサル)を行って 下さい。 友達と協力し合って勉強するのもいいものです。 また,先生の視点で友人の発表のアラ探しをすることは 良い勉強にもなります。
就職について
就職に関しては できる限りの協力はしますが 就職先を紹介できるようなコネはありません。 就職を希望する学生は 自力で就職先を決めて下さい。また, それを理由にセミナーの勉強がおろそかにならないように注意して下さい。
その他
私が研究室にいるときは いつでも訪ねてきて結構です。
が, いつも研究室にいるとは限りません。

以上のことを 納得した上でセミナーを受講して下さい。 私のHPの過去のゼミの記録 も参考にしてください。


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