\( x_1<x_2\Longrightarrow f(x_1)=f(x_2) \)のとき, 単調増加?単調減少?それともまた別?ですか。 ()
数列に対して同じようなことを先々週この欄に書きましたが, 等号のときは単調増加であり,かつ,単調減少です。 ただし,狭義単調増加でも狭義単調減少でもありません。
どうして全単射じゃないと逆関数にできないのですか。(シャーン)
写像は,1つの元\( x \)に対して1つの値\( y \)が対応していないといけないのですが, 逆に\( y \)の方には対応してくる\( x \)が0個でも1個でも2個以上でもいいです。 しかし,逆写像を考えるためには\( y \)に対応する\( x \)が1個でなければなりません。 つまり,\( y \)に対応してくる\( x \)が0個ではない(=全射),かつ, 2個以上ではない(=単射)でなければなりません。 よって,全単射でなければなりません。
写像という言葉を初めて聞きました。 単射,全射もです。 昔に比べると教科書の内容も変わっているのかと思いました。 単射は分かりましたが,全射がよく分かりません。 (東京行きたい)
もちろん,時代によって教科書の内容は変わっています。 数学の内容は変わっていませんが。
教科書に\( \arcsin x \)のことを「または\( \mathrm{Sin}^{-1}x \)と書く」 のように先頭が大文字になっているのには意味があるんですか? \( \dfrac{1}{\sin x} \)ではないことを表しているのですか? (ろしひ)
\( \sin^{-1}x \)派の人が\( \dfrac{1}{\sin x} \)ではないことを表したくて, 頭文字を大文字で書くことを考え出したのですが, すると,「\( \sin x \)の定義域を \( -\pi/2\le x\le \pi/2 \)に制限したときが\( \mathrm{Sin}^{-1}x \)で, それ以外に制限したときが\( \sin^{-1}x \)である」 という使い方をする人が現れて, このアイデアでも記号を統一することはできませんでした。
\( f:X\to Y \)という書き方は \( f(x)=Y \)ということですか? \( \mathbb{R} \)というのは何ですか? ()
\( f:X\to Y \)というのは,「集合\( X \)から集合\( Y \)への写像\( f \)」という意味です。 \( \mathbb{R} \)は最初の授業でやりましたが,実数の集合です。
\( f:x\mapsto y \)の矢印って,\( \mapsto \),\( \to \),\( \leftrightarrow \) に見えることがあったのですが,どれですか? ()
\( f:x\mapsto y \)というのは, 「要素\( x \)を要素\( y \)に対応させる写像\( f \)」という記号です。 \( \mapsto \)と\( \to \)の使い分けは細かいですが, \( \in \)と\( \subset \)の使い分けみたいなもので,本質的に異なるものです。
すごくこんがらがりました。 (沢村栄純)
逆三角関数は数IIIには登場しないものですので, ちゃんと復習しておきましょう。
数学の問題は毎日といていた方がいいですか?
演習問題の解答解説はありますか? (WRX)
勉強は1日にまとめて3時間やるよりも,毎日30分ずつ6日間に分けてやるほうが いいのです。ログインボーナスがもらえるわけではありませんが。
演習問題の解説は授業ではしません。 自習で解いて疑問があったら,この欄で質問するか,研究室に質問に来てください。
今習っている数学は何に活用されていますか? (タマ)
「今習っている数学」というのは, 逆関数のことでしょうか,それとも微積分一般のことでしょうか。 微積分はそれこそありとあらゆる分野で活用されています。 車も携帯電話もTVも橋も微積分の計算を使って設計作成されています。 逆関数くらいピンポイントだと何に使われているかわかりにくいですが, 入力に対する出力を解析するのに,出力から入力を解析するのは, いろんなところでよく行われることだと思います。
ときどき話し方が関西弁ぽいのですが,関西圏に住んだことがあるのですか。
ネクタイかわいいですね。 (かぼたん)
関西圏に住んだことはありませんが, 出身は愛知県瀬戸市です。 瀬戸市は,最近藤井六段のおかげで有名になりました。
ネクタイは今までもかわいいのをつけていたんですが, 遠くてわからなかったのかもしれませんね。
数学を好きになったきっかけを教えて下さい! (みなりん)
数学は中学高校でも週に何時間も授業があるので, それで好きになるのは不思議でもないと思います。 それよりも,中高の授業にない生命機能科学に 皆さんがなぜ興味を持ったのかが不思議です。
高校では定義の意味をきちんと理解しないまま 問題を解いていたんだなぁと,講義を受ける度 痛感します。 問題を解くことも好きですが, 定義を理解することはもっと楽しいですね。 ()
素晴らしい! そういう考え方ができるあなたは研究者に向いています。
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日比野雄嗣 hibinoy@cc.saga-u.ac.jp