演習問題[A]問題1.3(2)の解き方を教えてください。 ()
これは基本問題で,(i)上に有界と(ii)単調増加を示せばよいです。 (i)は\( a_n\le2 \)を数学的帰納法で示します。 \( a_k\le2 \)と仮定して\( a_{k+1}=\sqrt{a_k+1}\le\sqrt{2+1}\le2 \)を利用します。 (ii)も数学的帰納法で\( a_{k+1}-a_{k}\ge0 \)を仮定して, \( a_{k+2}-a_{k+1} \)を計算して分子の有理化を使えばいいです。 (i)(ii)より\( a_n \)が収束することが分かるので,その値を\( \alpha \)として 与漸化式から\( \alpha=\sqrt{\alpha+1} \)を解いて\( \alpha \)を求めます。
演習問題1.3(3)(4)の説明をお願いします。 ()
(3)は難しげに見えますが,(2)とほぼ同じです。 (i)\( a_n\le2 \)を数学的帰納法で示します。 \( a_k\le2 \)と仮定すると \( a_{k+1}=(\sqrt{2})^{a_k}\le(\sqrt{2})^2=2 \)となることを利用します。 (ii)も数学的帰納法が分かりやすいでしょう。 \( a_k\le a_{k+1} \)と仮定すると\( a_{k+1}=(\sqrt{2})^{a_{k}}\le(\sqrt{2})^{a_{k+1}}=a_{k+2} \)となることを利用します。 その後も同様です。
演習問題1.3(4)の解説がほしいです。 ()
(4)は難しいです。 結論を言うと極限値は存在しないので,存在すると仮定して矛盾を導きます。 背理法です。 極限値\( \alpha \)が存在するとすると, \( \alpha=(\sqrt3)^\alpha \)が成り立つはずですが, これを満たす\( \alpha \)がないことを言えばいいです。 この先も長いので,
ここ
の補遺を見てください。
p.56問題2.9(3)とp.97問題3.1(12)の解説がほしいです。 ()
2.9(3)は \( \displaystyle\sin x=\sum_{n=0}^\infty\frac{(-1)^n}{(2n+1)!}x^{2n+1} \) より, \( \displaystyle x\sin x=\sum_{n=0}^\infty\frac{(-1)^n}{(2n+1)!}x^{2n+2}=\sum_{n=1}^\infty\frac{(-1)^{n-1}}{(2n-1)!}x^{2n} \) なので, これと公式\( \displaystyle\sum_{n=0}^\infty\frac{f^{(n)}(0)}{n!}x^{n} \)を 係数比較すればいいです。Σを使わないで書いた方が分かりやすいかも。 3.1(12)は部分積分の超基本問題です。 \( \int x(e^x)'dx \)と考えて部分積分を適用します。
\( \dfrac{1}{x^2(x^2+1)^2}=\dfrac{A}{x}+\dfrac{B}{x^2}+\dfrac{Cx+D}{x^2+1}+\dfrac{Ex+F}{(x^2+1)^2} \) と分解するときに,分母がどうやって決められるかがわかりません。 ()
これはぜひとも理解しなければなりません。 分母の因数分解の項に合わせて決められます。 \( x^2 \)があるので \( \dfrac{A}{x} \)と\( \dfrac{B}{x^2} \)が, \( (x^2+1)^2 \)があるので \( \dfrac{Cx+D}{x^2+1} \)と\( \dfrac{Ex+F}{(x^2+1)^2} \)がつきます。
例3.3(1) \( \dfrac{3x^2}{(x+1)^2(x^2-x+1)}=\dfrac{A}{x+1}+\dfrac{B}{(x+1)^2}+\dfrac{Cx}{x^2-x+1}+\dfrac{D}{x^2-x+1} \)の最後のところが分かりません。 ()
これは最初だったから丁寧に\( \dfrac{Cx}{x^2-x+1} \)と\( \dfrac{D}{x^2-x+1} \) を分けて書いただけです。 第3項と第4項を合わせて \( \dfrac{Cx+D}{x^2-x+1} \)と書いた方が分かりやすいでしょう。
例題3.4の\( \displaystyle\int\dfrac{x^2}{(x^2+1)^2} dx\)が \( \displaystyle\int\dfrac{x}{-2}\left(\dfrac{1}{x^2+1}\right)'dx \)となるのが わかりません。 ()
逆に\( \left(\dfrac{1}{x^2+1}\right)' \)を計算してみれば, \( \dfrac{-2x}{(x^2+1)^2} \)となることが分かるので, それを使いました。
p.64の(B-2)の\( I_n \)からの計算がよく分かりません。 ()
上の部分積分を用いています。 それで\( I_{n-1} \)に帰着されるので, これを繰り返せば\( I_1 \)に帰着できます。 授業ではここまでやりませんでしたが。
\( \cosh x \)や\( \sinh x \)がでてくる例題や演習問題もテスト対策として しなきゃですか? 正直全くとけなくて分からないです…。 ()
\( \cosh x=\dfrac{e^x+e^{-x}}{2} \), \( \sinh x=\dfrac{e^x-e^{-x}}{2} \)なので, これらは単に指数関数の和や差にすぎません。 最初にこうしておけば,特に目新しいことはありません。
教科書の問題全部わからないです。 ()
それはマズイ。 もういっそ数IIIからやり直した方がいいと思います。
有理関数の不定積分はとても複雑だと思った。 ()
面倒ではありますが,パターンが確立しているので,冷静にやればなんとかなります。
\( \arctan \)は積分するのにとても便利だった。 高校で教えちゃってもいいと思う。 ()
\( \displaystyle\int\frac{dx}{1+x^2} \)は高校では, \( x=\tan t \)と置換するして計算するのだと習います。 つまり,\( t=\arctan x \)なんですね。
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